活動実績

JSME 熱工学部門 A-TS 06-18 相変化研究会

(2007年11月設置   複数回延長の末、2017年3月まで活動)

主査 小泉安郎(信州大)  幹事 大竹浩靖(工学院大)、永井二郎(福井大)

設置趣意書の通り、本研究会は、主に沸騰現象に関連した相変化に主眼を置き、この領域の研究に関わりを持つ研究者が一堂に会し、これまでの研究成果の整理と未解明で理解不十分な領域の抽出に関し議論し、今後の研究の方向性を見出すことを目的とした。活動内容は、下記2点。

1.沸騰現象・沸騰熱伝達に関する未解明点の整理と議論
1-1  伝熱シンポジウム、機械学会年次大会、熱工学コンファレンスに合わせて、「沸騰伝熱について徹底討論」を合計17回開催。
1-2 熱工学コンファレンスでのOS『沸騰・凝縮伝熱および混相流の最近の進展』を 継続実施

2.沸騰熱伝達に関する書籍改訂版の出版
「1966年に発刊された沸騰熱伝達【第1版】」と「1989年に発行された沸騰熱伝達と冷却【第2版】」をふまえた『第3版』の出版 →「出版」タグを参照。 この出版に関する検討を行うため、研究会メンバーによる会合(委員会)を合計26回開催。最終回は、2016年10月21日(松山)。検討の流れは、以下の通り。
 【第1版】【第2版】の内容確認 → 他の類似書籍の確認 → 「沸騰伝熱徹底討論」をふまえて、到達点と未解決点の確認 → 出版のねらい・意義の検討 → 各研究会メンバー+αと、執筆内容のすり合わせ
 ・内容構成の検討、相互チェック、標準フォーマットの作成
 ・JSME熱工学部門および出版センターとの相談
 ・Elsevier社との交渉・契約
 ・著作権・図表掲載許可手続き


沸騰伝熱について徹底討論シリーズ 全17回
(話題提供者による講演と濃密な質疑討論)


第1回 2008.5.23 (つくば)

 越塚(東大): 粒子法による沸騰のシミュレーション
 鶴田(九工大): 趙のミクロ・マクロ液膜モデルの問題点は何か?
 光武(佐賀大): スプレー冷却中の高温面上のぬれ開始温度について
 浅野(神戸大): 溶射被膜を施した伝熱面の沸騰熱伝達特性に関する研究
 太田(九大): 混合媒体の核沸騰における伝熱劣化と伝熱促進効果について

第2回 2008.8.5(横国大)
 奥山(東大): 非沸騰状態から膜沸騰への遷移の機構について
 小澤(関西大): 二相流のボイド率変動 –淀みに浮かぶ泡沫はかつ消えかつ結びて
 桃木(長崎大): 水平管内を流れる冷媒の沸騰伝熱について
 大竹(工学院大): 高温面の濡れの機構とその定量化

第3回 2008.10.13 (札幌)
 高田(九大): 相変化現象に及ぼすぬれ性の効果
 坂下(北大): プール沸騰の限界熱流束機構 -伝熱面近傍の気液挙動測定の結果より-
 鈴木(東理大): 気泡微細化沸騰について考える(メカニズムと応用について)
 山口(長崎大): 気液平衡物性の推算

第4回 2009.6.1(京都)
 小泉(信州大): マイクロ加工技術を用いた沸騰素過程解明実験及び微細構造付き伝熱面の沸騰性能評価
 三島(INSS): 気泡微細化沸騰
 大川(阪大): 沸騰蒸気泡の伝熱面離脱機構
 古谷(電中研): 蒸気爆発–蒸気膜崩壊と液液接触からの自発核生成、微細混合過程-

第5回 2009.9.5-6 (上田) 合宿形式 研究レビューと追求すべき点の洗い出し
 小泉(信州大): 今回の趣旨説明&話題提供
 門出(佐賀大): 固液接触と自発核生成について
 永井(福井大): 遷移沸騰(CHF付近~MHF付近)、モデル化、表面濡れ性 
 原村(神奈川大): 遷移沸騰にまつわる不安定問題 

第6回 2009.11.8 (山口)
 小野(芝浦工大): 非線形溶液の微細管内流動沸騰への適用と課題
 鴨志田(芝浦工大): 不揮発性二成分水溶液の沸騰挙動と伝熱特性について
 吉田(JAEA): 詳細二相流解析手法による沸騰現象の直接的予測のための検討
 宇高(横浜国大): 沸騰過程におけるミクロ液膜の構造と熱伝達への寄与(ミニギャップ系と核沸騰系)

第7回 2010.5.25 (札幌) ~沸騰伝熱研究の過去、現在を整理し、未来を語る礎に。~
 功刀(京都大): 沸騰の数値計算
 
核沸騰~限界熱流束CHFのプール沸騰モデルの相互評価と議論
 Rohsenow核沸騰モデル&ZuberのCHF モデル(大川)
 原村・甲藤の核沸騰~CHFモデル(永井)
 熊田・坂下の核沸騰~CHFモデル(原村)
 鶴田・趙 の核沸騰~CHFモデル(坂下)
 西尾・田中の核沸騰~CHFモデル(鶴田)
 →討論の詳細は、「伝熱」2010年10月号の特集記事として掲載

第8回 2010.9.5-6(名古屋) 国際シンポジウム ~プール沸騰モデルのレビューと今後の展望~ Symposium on Fundamentals and Future Scope of Boiling Heat Transfer
 Prof. Jungho Kim (Maryland Univ.): Modeling of Nucleate Boiling and CHF in Poll Boiling
 
日本側の沸騰モデル話題提供(in English)
 大川(大阪大): 古典的Rohsenow & Zuber モデル
 原村(神奈川大): 原村・甲藤マクロ液膜モデル
 坂下(北大): 熊田・坂下マクロ液膜モデル
 永井(福井大): 西尾・田中三相界線蒸発モデル
 鶴田(九工大): 鶴田・趙薄液膜蒸発モデル

 
年次大会WS(名古屋)
 庄司(神奈川大): 沸騰研究に残された最大の問題-加熱面性状の評価法-
 師岡(早大): 原子力メーカでの沸騰伝熱研究を振り返って
 安達(富士電機システムズ): パワエレ機器に関する相変化冷却事例と課題について
 門出(佐賀大): 均一自発核生成モデルに関して

第9回 2010.10.30 (長岡)
 齊藤(京大炉): 二酸化炭素-潤滑油混合物の水平平滑管内における沸騰熱伝達
 上野(東理大): サブクールプール中に射出した蒸気泡の凝縮・崩壊過程
 結城(山口東理大): 金属多孔質体を用いた10MW/m2クラス高熱流束除去デバイスの開発

第10回 2011.5.31 (岡山)
 梅川(関西大): 中性子ラジオグラフィによる強制流動沸騰場の定量評価
 劉(JAEA): 強制流動沸騰の限界熱流束
 小泉(信州大): 総括と研究会の今後の予定

第11回 2011.9.13 (日吉)
  川路(ニューヨーク・シティ大学): サブクール沸騰、self-rewetting fluidのプール沸騰、相変化物質の熱伝達、等に関連した話題
 Sefiane(Edinburgh Univ.): Thermal Waves in Evaporating Drops

第12回 2012.5.29 (富山)
 阿部(筑波大): 均質核生成に起因する過渡沸騰現象の2~3の例
 矢吹(明治大): 沸騰熱伝達の新しい計測法の試み
 丹下(芝浦工大): 模擬的発泡核を持つMEMS 伝熱面上の沸騰

第13回 2012.9.11 (金沢)
 大久保(玉川大): 沸騰熱伝達の冷却制御技術への応用
 大竹(工学院大)・永井(福井大): 熱工学部門相変化研究会-活動報告と今後の予定-
 小泉(信州大): 沸騰熱伝達第3版に向けて

第14回 2013.3.18 (東京) ~Stephan教授を迎えて沸騰・相変化伝熱講演会~
 P. Stephan (Univ. Darmstadt): Local Heat Transfer near Moving 3-Phase Contact Lines and Its Influence on Nucleate Boiling and Drop Evaporation
 上野(東理大): Instability Arisen on Condensing Vapor Bubble Exposed to Subcooled Pool
 阿部(筑波大): Study on Operating Limit of the Supersonic Steam Injector
 大川(電通大): Experiments on Boiling Heat Transfer in Nanofluids
 劉(JAEA): Measurement of Surface Heat Flux and Surface Temperature Distribution under a Nucleate Pool Boiling Bubble
 小泉(信州大): Study on Nucleate Boiling Heat Transfer by Measuring Spatially Instantaneous Local Surface Temperature Distribution
 大竹(工学院大): Study on Mechanism of Rewetting Initiation of Hot Dry Surface

第15回 2013.6.16 (札幌) ~S.Kandlikar教授とJ.Kim教授を迎えて沸騰・相変化伝熱講演会~
 永井(福井大): Visualization of Liquid-Solid Contact Situations while Boiling
 庄司(神奈川大): CHF on a Horizontal Heated Wire
 S. Kandlikar (Rochester Institute of Technology): Bridging the Disconnect between Heat Transfer and Flow Patterns during Flow Boiling in Micro Channels
 J. Kim (University of Maryland): Pool Boiling CHF Mechanisms Using IR Thermography

第16回 2014.10.25 (東京) ~沸騰研究の来し方60年を振り返る~
 (詳細は、「イベント」タブを参照)
 S. Kandlikar(RIT): Professor Shoji's Outstanding Contributions and Our Current Understanding of Boiling Phenomena
 K. Sefiane(Edinburgh Unv.): Bubbles interaction from artificial cavities in pool boiling
 J. H. Kim(Maryland Univ.): IR Techniques to Measure Boiling Heat Transfer Coefficients
 庄司(東大): 私が出会った沸騰研究の先達
 鈴木(山口理科大): 鳥飼先生の思い出;気泡微細化沸騰研究のこれまでとこれから
 門出(九大): 甲藤・庄司研究室で教わった沸騰研究と心構え
 小泉(JAEA): 植田先生、田中先生を偲んで;駆け出しの頃
 宇高(横浜国大): 棚澤一郎先生:滴状凝縮研究の頃から
 高田(九大): Heat transfer family of Kyushu University founded by Prof. Yamagata and Prof. Nishikawa
 丸山(東大): 沸騰からナノ・マイクロスケール現象への展開
 原村(神奈川大)・小野(芝浦工大): 甲藤・庄司研究室時代の思い出

第17回 2015.6.2(福岡) ~International Workshop on Phase Change and Wetting Phenomena~
 G.Nagayama(Kyushu Institute of Technology): A microscopic view on solid-liquid-vapor three-phase contact area
 D.Orejon(Kyushu Univ.): Chemically treated micropollars for enhanced condensation heat transfer
 B.Shen(Kyushu Univ.): Pure subcooled boiling of water observed on a surface with mixed wettability
 M.E.Shanahan(Univ. Bordeaux): Liquids on Flexible Solids: When the Solid Meets Its Match!
 S.J.Kim(KAIST): Micro Pulsating Heat Pipes: State-of-the-art Developments
 H.Asano(Kobe Univ.): Pressure and void fraction fluctuations during DNB in subcooled flow boiling
 Y.Abe(Univ. Tsukuba): Criteria of flushing phenomena under microwave heating
 S.Mori(Yokohama National Univ.): CHF enhancement using honeycomb porous plate in a saturated pool boiling
 G.McHale(Northumbria Univ.) : The Leidenfrost Effect: From Drag Reduction to Sublimation (Heat) Engines
 I.Ueno(Tokyo Univ. of Science): On condensing vapor bubble in subcool pool
 N.Nagai(Univ. Fukui): Wetting Initiation near MHF point during Spray Cooling
 M.Shoji(Univ. Tokyo): Dependence of Critical Heat Flux on Heater Size