福井大学 工学部 機械・システム工学科 熱流体システム分野
CFDで複雑な流れを高精度に予測して,その現象のメカニズムを解明する研究に取り組んでいます.
流れ場に外的操作を加えて,逆圧力勾配による壁乱流の剥離を抑制するための制御方法に開発する.さらに,操作方法を変更することによって,制御効率の向上を目指す.この研究で見出された制御方法を応用することによって,剥離による流体抵抗や振動の抑制,熱伝達率の改善を実現できる.
非ニュートン流体の乱流抵抗低減のメカニズムを明らかにするために,非ニュートン流体モデルを用いて,乱流に含まれている組織的構造に注目した直接数値解析を実行する.そして,非ニュートン流体の効果によって乱流渦構造が急速に抑制される原因を調べる.将来は,乱流抵抗低減のための制御手法の開発に発展させる.
乱流境界層などの局所的で複雑な流体現象に関わる流体騒音を解析対象として,高精度直接数値シミュレーションを実現する.この結果により,乱流現象における流体騒音の発生メカニズムを明らかにする.将来は,高速鉄道などから発生する騒音を低減させるための技術開発を目指す.
温度変化の影響が支配的で,低マッハ数域においても密度変化が無視できないような乱流場を対象にして,数値シミュレーションで流れ場を再現する.この結果から,温度分布による密度変化が乱流構造に及ぼす影響を調べる.この研究成果は,電子基盤などの冷却効率の最適化に応用される.
複雑な流動現象と化学反応に基づく燃焼現象を高精度数値シミュレーションで予測するための解析法を開発する.そして,着火,消炎,火炎伝播のメカニズムを解明する.将来,ロケットエンジン,自動車エンジン,ガスタービンなどの燃焼が関わる流体機械の効率と安全性の向上に貢献する.
ポンプ内部に発生するキャビテーションの特性を力学的観点から詳細に調べる.キャビテーションと翼列の安定性の関係を知ることによって,液体燃料ロケットエンジンのインデューサーなどに発生するキャビテーション不安定現象を高精度に予測するためのモデルの開発に寄与する.
複雑な流体現象を仮想的に再現するために,高性能スーパーコンピューターを駆使して,大規模数値シミュレーションを実行している.また,そのためのシミュレーションプログラムを独自開発している.研究室から外部の大規模計算機センターに接続して,大容量メモリを利用し,長時間計算を実現している.
例えば,仮想流体粒子を時空間的に追跡して,乱流中に含まれる組織的構造を形成している渦などの形成履歴を知るための手法を開発する.複雑な流動現象における適切な制御対象を把握することによって,制御効率を最適化できる.そして,上記の研究成果と組み合わせることによって,各種実用問題への応用を目指す.
米村
黒田(乱流メカニズム)
永井(乱流遷移制御)
道坂(非ニュートン流体乱流)
皆本(乱流凝固現象)
浪井(キャビテーション)
野呂(乱流燃焼)
法邑(乱流騒音)
増山(粗面乱流)
井野口(キャビテーション)
梶(乱流燃焼)
菅谷(乱流凝固現象)
墨崎(乱流メカニズム)
丸山(乱流騒音)
久田