流体システム研究室 本文へジャンプ
研究紹介

 




  トンネル火災時における安全な排煙方法に関する研究

本研究では、トンネル火災時に集中排煙方式を用いて排煙するとき、煙が避難環境に与える影響について解明することを目的としています。研究では、模型トンネルを用いた火災実験と数値シミュレーションの両方を実施しています。特に集中排煙時に排煙システムが作り出す流れによって、煙が拡散して避難環境が悪化することを防ぐ新しい排煙方式を提案することを目指しています。
  トンネル火災時における水素ガス放散流動現象の解明

現在、地球温暖化および脱石油社会への対策が持続可能な社会構築のため必要とされています。その対策の一つとして燃料電池などの水素エネルギーを利用した技術の普及が期待されていますが、水素は可燃性の高い気体であるため、水素利用上の危険性予測に関する研究が必要とされています。本研究では、水素ガス爆発の危険性が高まる状況の一つとして、閉空間内火災時に水素ガスが放散されたケース(例えば、燃料電池自動車のトンネル内事故)を想定し、ガス流動現象を調査するための火災実験と数値シミュレーションに取り組んでいます。  
 

水噴霧消火に関する研究


建築火災やトンネル火災の消火・抑制方法の一つとして、水噴霧消火が注目されています。これは、オゾン層の保護のために、従来よく用いられていたハロン消火剤の使用抑制が行われていることや水噴霧が高い消火性能を持っていることが明らかになってきたからです。しかし、水噴霧を含め、スプリンクラーなどの水系消火設備の性能予測は非常に複雑で難しく、適切な消火設備を設計することは現状では困難です。そこで、本研究では、消火性能を予測するための模型実験法の確立と数値シミュレーションによる火災抑制現象の予測に取り組んでいます。
 

羽ばたき翼の非定常流体力発生機構と推進機関への応用

昆虫は揚力と推力を生み出すために羽ばたきの機構を利用し、離着陸やホバリングを行なっています。しかし、Weis-Foghは一般的な航空機の設計に用いられる定常翼理論を用いると昆虫がホバリングで自重を支えることが不可能であることを示しました。その後、Dickinsonらにより微小昆虫独特の非定常流体力発生機構が説明されました。本研究では、非定常流体力発生機構の1つであるウェイクキャプチャ並びにラピッドピッチローテーションに着目し、これらを推進機関として応用する研究に取り組んでいます。