AI・データセンターの次世代冷却
単相液冷の先を見据え、沸騰を安定して使う冷却技術を研究しています。
AIサーバでは、CPU・GPUの高性能化と高密度実装によって、チップだけでなくラック全体の発熱量が急速に増えています。現在は空冷からコールドプレートを用いた直接液冷への移行が進んでいますが、さらに高い熱負荷では、流量を増やすだけではポンプ動力や温度むらが大きくなります。
そこで当研究室では、沸騰の潜熱を利用する二相冷却を研究しています。沸騰を避けるのではなく、流れと相変化を安定させながら使うことが基本的な考え方です。
研究のポイント
- 高熱流束CPU・GPU用二相コールドプレート
- 放射状拡張流路による低圧力損失・逆流抑制
- 複数コールドプレートの直列・並列接続
- 二相流入口、液浸冷却、3D実装冷却
放射状拡張流路型コールドプレート
独自に研究している放射状拡張流路では、入口から出口に向かって流路断面を拡大します。沸騰が進むにつれて蒸気の体積が増えても、下流側に十分な流路を確保できるため、圧力損失や逆流を抑えやすくなります。
これまで、低流量条件、入口がすでに二相流となる条件、3D多孔質供液構造などについて実験と可視化を行ってきました。
複数CPU・GPUをどう安定して冷やすか
実際のデータセンターでは、一つのコールドプレートだけを冷やせばよいわけではありません。複数のCPU・GPUを直列または並列に接続したとき、各コールドプレートへの流量分配や上流で発生した蒸気が下流へ与える影響が問題になります。
現在は、複数熱源を対象にした直列・並列接続時の流動安定性と冷却性能を調べ、システム全体として安定する条件を整理しています。
次の課題
二相コールドプレートに加えて、誘電性液体を用いた液浸冷却、3D実装半導体内部の局所冷却、多孔質体を利用した三次元液供給も検討しています。冷却方式を一つに限定せず、発熱密度と実装構造に応じて適切な方法を組み合わせることを考えています。
関連する研究成果
- Sihui Hong, Chengzhi Li, Chaobin Dang, Mengjie Song, Hitoshi Sakamoto, “Experimental research on cooling performances of radial expanding-channeled heat sinks applied for multiple heat sources,” Applied Thermal Engineering (2023).
- Zhengyong Jiang et al., “Experimental study on flow boiling of two rectangular expanding microchannel heat sinks in series connection and flow patterns analysis,” International Communications in Heat and Mass Transfer (2024).
- Sihui Hong, Chaobin Dang, Eiji Hihara, “Experimental investigation on flow boiling characteristics of radial expanding minichannel heat sinks applied for two-phase flow inlet,” IJHMT (2020).
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